【微量だけど大活躍!】亜鉛を多く含む食べ物と驚きの効果!!


はじめに

亜鉛は、自動車や建材をはじめ様々な分野で使われている金属の1つです。その亜鉛が私たちの体にとって必要不可欠な成分と聞くと、不思議に思う人もいるかもしれません。

実は亜鉛は、厚生労働省が制定した食事摂取基準で摂取量が定められている微量ミネラルの1つなのです。

ミネラルとは、有機物(炭素、水素、窒素、酸素)以外の成分のことで、地球上に約100種類あると言われています。このうち16種類は生体に必須な成分として、摂取量が定められています。

定められた摂取量が多いミネラルは「多量ミネラル」、少ないミネラルは「微量ミネラル」と定義されており、亜鉛は後者に含まれます。

これらのミネラルは体内で合成することができないので食事から摂取する必要がありますが、過剰に摂りすぎると返って体に支障をきたします。

今回は、亜鉛の必要量や、亜鉛が体の中でどのような働きをしているのか、過不足が起こるとどんな悪影響が現れるのかについて説明していきます。


亜鉛はを多く含む食べ物はコレ!!

牡蠣

文部科学省の科学技術・学術審議会資源調査分科会という機関は、私たちが日常的に摂取している食品に関するデータを「食品成分表」としてまとめています。食品成分表には、可食部 (食べられる部分)100gあたりに含まれている成分量が記載されています。

この成分表を見ると、亜鉛はカキに最も多く、可食部100gあたり13.2mg含まれています。しかし、カキ100gって一体どれくらいでしょうか?実は下の写真の通り、カキ1個の重量は約20gなのです。

また、カキの旬は11月〜2月なので、1年を通して食べるのはなかなか難しいですね。

体内の亜鉛分布をみると、筋肉に約60%、骨に約30%、肝臓や皮膚に約5%、前立腺や膵臓のβ細胞に数%存在しています。そのため、肉類や体全体を食べる食品には亜鉛が多く含まれています。

例えば牛肉だったら、部位による違いはありますが、100gあたり3〜5mgの亜鉛が含まれています。カキに比べたら量は少ないですが、お肉100gだったら毎日食べることができそうですね。

ただし尿酸値の高い人は、体全体を食べる食品の摂取に注意する必要があります。

尿酸はプリン体が分解される時に作られますが、作られすぎたり排泄が悪かったりすると、血中の尿酸濃度(尿酸値)が高くなり痛風を引き起こします。体全体を食べる食品には、このプリン体も多く含まれているのです。

また、肉類には亜鉛が多いのですが、加工肉には塩分も多く含まれています。塩分過多は高血圧などの原因にもなります。自分の健康状態も考えて、バランス良く様々な食品を摂取することが大切です。


亜鉛の1日の摂取量は?どうやって摂取したらいい?
2015年度版の食事摂取基準では、亜鉛摂取の推奨量を下記のように定めています。

図形

2015年、Scientific Reportsという科学雑誌に世界規模でカルシウムと亜鉛の摂取量を調査した研究が発表されました。この報告によると、日本では約10〜30%の人々で亜鉛が不足しているそうです。

また厚生労働省は、国民の身体状況や栄養摂取状況、生活習慣を明らかにするために、「国民健康・栄養調査」を毎年実施していますが、亜鉛摂取量は男女共20歳以降で推奨量よりやや少なく、妊婦や授乳婦ではかなり少ないことが報告されています。

食事中の亜鉛は十二指腸や空腸で吸収されますが、その吸収率は20〜40%と低く、摂取量が多いと吸収率が低下します。

なぜかというと、亜鉛は体内に吸収される際に必ず輸送体を利用するのですが、この輸送体の能力には限界があります。そのため、摂取量が多くても吸収することができず、結果として吸収率が低下してしまうのです。

また、亜鉛は一緒に食べる食品によっても吸収率が変化します。吸収率が上がる食べ物として、動物性たんぱく質やビタミンC、下がる食べ物としてフィチン酸、食物繊維、カルシウムなどが知られています。

動物性たんぱく質は、亜鉛含有量の多い肉類に豊富に含まれているので、やはり肉類を積極的に食べると良いかもしれませんね。

フィチン酸は植物組織に含まれている成分で、体内に入ると鉄や亜鉛などの金属と結合して排泄されてしまいます。ただ、植物組織には植物性たんぱく質が含まれており、血糖値の上昇をゆるやかにする作用も知られています。

近年、日本でメタボリック症候群が増加している原因に、植物性たんぱく質摂取の減少と動物性たんぱく質摂取の増加が関係していると考えられています。

またカルシウムも不足すると骨粗鬆症の発症を誘発してしまいます。適切な食べ合わせを知ることで、効率よく栄養素を摂取していきましょう。


亜鉛にはどんな効果が??美容にもとても良いですよ♪

亜鉛

体内に存在している亜鉛は約2000mgと言われています。吸収された亜鉛は、一度肝臓に取り込まれた後に全身へと分配され、その分布は先ほどお示しした通りです。

ヒトの体内で働いている酵素の約10%が亜鉛と結合しており、特にたんぱく質を合成する酵素に多く含まれています。そのため、亜鉛不足による障害は、たんぱく質合成が盛んな臓器で現れます。

味覚障害は亜鉛不足で起こることがよく知られている症状です。私たちが口に食べ物を入れると、舌の味蕾にある味細胞が刺激され、その刺激が脳へと伝わり味を感じます。

味細胞はターンオーバーが非常に早く、約10.5日で新しく生まれ変わります。細胞が新しく生まれるためには、たんぱく質をたくさん必要とするので、亜鉛不足の影響を受けやすいのです。

皮膚や髪もターンオーバーを絶えず繰り返している組織です。そのため亜鉛が不足すると、皮膚炎が起こったり、髪が傷んだりします。

また、亜鉛が不足すると男性機能が低下する、という話を聞いたことがあるかもしれません。実は先ほど説明した通り、前立腺には全体の数%しか亜鉛が含まれていません。

亜鉛は男性ホルモンであるテストステロンの合成に必須のため、存在量が少なくても影響が出やすいのです。

しかし、不足しないようにと必要以上に摂取してしまうと、今度は過剰症を発症します。過剰症で有名なのは、貧血です。

貧血といえは鉄不足を思い浮かべる人が多いと思います。鉄(Fe)は体内でFe2+とFe3+の2種類の形で存在しています。しかし、吸収できるのはFe2+のみで吸収された後、Fe3+に変換されヘモグロビンの産生などを行います。

このFe2+からFe3+への変換に必ず銅を使うのですが、銅と亜鉛の吸収は競合する性質を持っています。そのため、亜鉛の摂取が多すぎると銅の吸収が減ってしまい、貧血を起こします。


おわりに

亜鉛を含めたミネラルは、必要とされる量は少ないですが、体内の様々な反応に必須の栄養素です。

世界的に見ると、亜鉛不足による健康リスクは減少しつつありますが、根絶とまではいっていません。また、単に食べればいいわけではなく、食べ合わせによって吸収率が低下してしまうこともあります。

さらに亜鉛は多いけれど、他の疾患に関わる成分も多い食品もあるので、バランスの良い食事が健康の基本となります。

しかし、一人暮らしをしていたり、高齢になって食欲が低下していたりすると、偏った食事を摂ってしまいがちです。もし摂取することが難しい場合は、サプリメントなどで補充するのも一つの手です。

ただ、サプリメントの中には、1日の必要量以上の成分を含んでいるものもあります。体に必要なものと聞くと、たくさん入っていた方がお得と思ってしまったり、数種類を併用して飲んでしまったりする人もいるかもしれませんが、上記のような過剰症を引き起こす可能性もあります。

せっかく健康のために飲んでいるのに、逆に体調が悪くなってしまったら元も子もありません。配合量をチェックする習慣を身につけておくことも大切ですね。

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