【キトラ古墳】壁画の四神が意味するものは?

はじめに

みなさんの古墳に対するイメージは何でしょうか?

「昔の偉い人のお墓」、「とにかくでかい」、「鍵穴みたいな形」。 古墳という言葉は教科書でしか馴染みがないので、このようなイメージしかないと思います。

でも実は、形やその大きさだけでなく、どのような歴史のもとに作られたか、他の古墳とどのような文化的な違いがあるのか、といったようなことに注目すると、これまでと一味違った見方ができると思います。

今回紹介するキトラ古墳は、数ある古墳の中でも特別な「壁画古墳」と呼ばれるタイプの古墳です。

「何がそんなに特別なの?」 そういった疑問を解決しつつ、キトラ古墳の楽しみ方をご紹介します!

キトラ古墳ってどんな古墳?実は大変希少な古墳なんです。

キトラ古墳は、奈良県高市郡明日香村の南西部、阿部山にある古墳で、国内で2つしかない壁画古墳の内の一つです。

壁画古墳に似たものとしてよく勘違いされるのが、装飾古墳と呼ばれるタイプの古墳ですが、装飾古墳の多くが6世紀あたりに、九州、関東、東北地域で築城されたのに対し、壁画古墳は7~8世紀に築城され、奈良県でしか見られません。

壁画の内容も、装飾古墳は抽象的なものが多い一方で、壁画古墳は比較的写実的で極彩的な色が用いられている、という特徴があります。

ところでみなさんは全国の古墳の総数をご存知でしょうか?

「古墳ってあまり見かけないし、あっても100個くらい?」と私も思っていましたが、なんと161,560基もあるそうです!(平成13年3月末 文化庁調べ)

この中でも装飾古墳は600基ほどで、壁画古墳は2基しかありませんので、いかにキトラ古墳が希少であるかということがよくわかりますね。

ちなみに、もう一方の壁画古墳は高松塚古墳という古墳で、キトラ古墳のすぐ近くにあります。 ところで、キトラ古墳は通常の装飾古墳と文化的にも大きく異なります。

装飾古墳の壁画に使用されている顔料は、天然の粘土質の物質が砕かれてできているのに対し、キトラ古墳の壁画に使用されている顔料は、人造顔料を含むより精錬されたもので、現在も日本画顔料として伝統的に使われています。

こうした顔料の違いは何を意味しているのでしょうか?

上にも書きましたが、装飾古墳は6世紀前後、キトラ古墳はそれより後の7~8世紀に造られました。

歴史的にキトラ古墳の方が浅いため、より近代に近い製法で作られた顔料が使用されているのですね。

また、キトラ古墳は朝鮮半島や中国大陸の文化から強く影響を受けて築かれたことがわかっています。

そのキトラ古墳で使用されている顔料が、現在も伝統的な日本画顔料として使用されていますので、いま私たちが日本画の伝統として認識している文化は、もともと日本独自のものではなく、大陸由来のものであると言えます。

キトラ古墳の歴史とその特徴から、日本文化の成り立ちがわかるなんて面白いですね。

こうなると、その壁画に何が描かれているかも気になってくるのではないでしょうか? 続いては壁画の内容について解説したいと思います。

壁画の四神が司るものは??

キトラ古墳の壁画にはいったい何が描かれているのでしょうか?

壁画は石室内にあるのですが、いくつか種類があり、その中に「四神」と呼ばれるものがあります。 実際の画像がこちらです。

(文化庁 キトラ古墳壁画保存管理施設 HPより)

四神は天の四方を司る神獣で、壁画は対応する方位に合わせて、東壁に青龍、南壁に朱雀、西壁に白虎、北壁に玄武が描かれています。

もう一つの壁画古墳である高松塚古墳でも同様に四神の壁画があるのですが、盗掘によって一部が失われてしまったため、国内で四神すべてが揃っているのはキトラ古墳だけなのです。

天井の東側には金箔で太陽が、西側には銀箔で月が表されており、天井の平坦面の部分には、円形の天文図が描かれています。

この天文図は中国式が採用されており、現存する世界最古の中国式星図と言われています。

壁画の内容を見ても、いかにキトラ古墳が大陸文化を受け継いでいるかがわかりますね。

しかも数ある中国式の天文図の内、世界最古のものがまさか日本にあるなんて!

キトラ古墳がいかに通常の古墳とは異なる、特別なものであるかわかると思います。

古墳の魅力を体験できるキトラ古墳体験館!!

(国営飛鳥歴史公園 HPより)

これからは実際に現地での楽しみ方について紹介したいと思います。

キトラ古墳では様々な施設や体験プログラムが用意されていますが、その中でも注目したいのは、つい3年ほどまえにオープンしたばかりの「キトラ古墳体験館 四神の館」です。

本館の1階では、実物の壁画や出土遺物を保存管理する施設となっており、地下1階の展示室では、キトラ古墳やキトラ古墳壁画を実際に目で見て体験しながら、楽しく学ぶことができます。

別館では勾玉づくりなどの体験プログラムを実施しており、土日祝日に予約不要の当日受付で体験することができます。

予約しなくても参加できるのは手軽でありがたいですね。

ぜひお子さんと一緒にキトラ古墳の歴史に触れつつ体験してみてはいかがでしょうか。 夏休みに行くと自由研究の題材にもなって一石二鳥ですね!

また施設自体も新しいので、内装が非常にきれいでスタイリッシュなのも特徴です。

古墳の資料館や展示館というと、年季の入った建物をイメージするかと思いますが、キトラ古墳体験館では、Wi-Fi設備や授乳室、高齢者や障碍者の方に配慮された施設となっているため、利用しやすいですね。

キトラ古墳についてより深く学ぶには、キトラ古墳体験館に訪れてみてはどうでしょうか?

おわりに

日本には数多くの古墳がありまよね。

大体皆さんがイメージするのは、教科書で出てくる鍵穴のような形をした前方後円墳ではないでしょうか?

ただ、キトラ古墳の歴史やその特徴を見てみますと、形だけでなく様々な注目するポイントがあります。

私自身も、古墳について知識が全くなかった時代は、「古墳ってどうやって楽しめば良いの?」と思っていましたが、その歴史や文化といった背景への理解を深めることによって徐々に面白さがわかってくると思います。

GWや長期休みの機会を使って、ぜひキトラ古墳に訪れてみてはどうでしょうか?

きっと古墳についてより知識が深まり、新たな世界が広がると思います!

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