メリットありデメリットあり。赤ちゃんポストの現状について考えてみます。


はじめに

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ドラマやドキュメンタリーで取り上げられたり、最近では中学や高校の保健の授業でも扱われることがあるため、「赤ちゃんポスト」という言葉を一度でも来たことがあるという人は、多いのではないでしょうか。

赤ちゃんポストというのは通称で、熊本県熊本市の慈恵病院にある「こうのとりのゆりかご」というのが正式名称で、ドイツのベビークラッペというシステムをもとに、2007年に設置されました。

ポストというのは比喩で、病院の専用出入口から入ると保育器が設置されています。
そこに、なんらかの理由で育てることができない赤ちゃんを、匿名で病院で保護してもらうことができるのです。

保育器の扉を閉めると、外からは開けられないようにロックされると同時に、ブザーによって職員が呼び出されるため、すぐに保護してもらうことができるのです。

保護された赤ちゃんは、健康チェックと必要な処置が施され、警察への連絡や調査など必要な手続きを終えた後、乳児院へと託されます。

今回の記事では、そんな赤ちゃんポストのメリット・デメリットや賛成・反対意見、さらにその現状について紹介していきたいと思います。


賛成意見やメリットにってどんなもの??

まずは、赤ちゃんポストのメリットやそれに対する賛成意見を見ていきましょう。

赤ちゃんポストのメリット、賛成意見としてもっとも大きいのは「赤ちゃんを救うことができる」という点でしょう。

ゴミ捨て場から生後間もない赤ちゃんの遺体が見つかったり、駅のコインロッカーに入れられていたところを発見された、というニュースを見たことがあるのではないでしょうか。

私がそういった事件のニュースを初めて見たのは小学生の頃だったのですが、非常に衝撃を受けた記憶があります。

未成年や学生であったりといった理由で周りを頼ることもできず、どうしようもなくなり精神的に追い詰められた果てに、こういった行動に出るというケースは過去に何件も起きています。

匿名で赤ちゃんを保護してもらえる場所がある、というのはこういったケースを減らすことに繋がるはずです。

次に、赤ちゃんポストはその親も救うことができる、という意見です。

なんとかして育てようとしたけど、片親であったり女手一つでは育てていくことができず、最終敵に「心中」という選択をするケースも、年々増加しています。

「そういったケースもあるの?」という方もいるのではないでしょうか。
私も知ったときは非常に驚きました。

というのも、心中は殺害や死体遺棄といった事件性がないため、ニュースでは取り上げられにくいのです。こうした理由で世間でもあまり知られてないこともあります。

赤ちゃんポストという、心中以外に選べる選択肢があれば赤ちゃんだけでなく、その親も救うことができるのです。

これも赤ちゃんを救うことと似ていますが、中絶を防ぐことも期待できます。妊娠してそれが望まれないものだったとき、妊娠中絶をするという選択をする場合もあります。

ですが、誰も望んで中絶しようという人はいないはずです。「産んだとしても育てていく経済力も環境もない、ならばいっそのこと…」という思いで中絶に至ることがほとんどのはずです。

そんなときに、命を預けられるところがある、託せる相手がいる、というのは非常に大きいのではないでしょうか。


もちろん反対意見やデメリットもありますよ!!

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一人でも多くの赤ちゃんを救うために作られた赤ちゃんポストですが、反対意見やデメリットなどの問題も抱えているのです。どういった問題があるのでしょうか?

匿名で保護してもらえるため、赤ちゃんを預ける側も利用しやすい赤ちゃんポストですが、そのため、預けられた赤ちゃんが将来大きくなったときに、自分の両親や出自について知ることができない可能性があります。

赤ちゃんを預ける側への考慮が、預けられた赤ちゃんの「自分の出自を知る権利」を奪ってしまうことになるかもしれないのです。

また、大人になってから自分の両親に会いたいと思っても、二度と再会できないといった可能性にもつながるのは大きな問題としてあげられるでしょう。

両親に会うどころか、自分の出自や両親について何も知ることができないというのは、いったいどんな思いなのか私には想像もつきません。

先ほど挙げたように、赤ちゃんポストの匿名性は「赤ちゃんを預ける側が少しでも利用しやすくすることで、一人でも多くの命を助けたい」という理念からです。

ですが、その利用しやすさが無責任な育児放棄の助長に繋がるのではないかという意見です。これは、赤ちゃんポストの運営当初から懸念されていたことではあります。

ここでもやはり、「匿名性」がポイントとなります。こういった制度の利用のしやすさと、軽はずみな利用は切り離せないというのが難しい点です。


最近はあまり話題になっていませんが、現状はどのうようになっているのでしょうか?

ここまで紹介してきたような、メリットとデメリット、賛成意見と反対意見のある赤ちゃんポストですが、現在はどうなているのでしょうか?

2013年に放送された、赤ちゃんポストを題材に用いたドラマの影響で、多くの相談が寄せられるようになりました。

また、運営開始から2017年の10年間で130人もの赤ちゃんが預けられ、その命が助けられました。
全員とまではいきませんが、そのうちの8割は身元が判明しているとのことです。

人手不足という新たな問題を抱えている状況ではありますが、赤ちゃんポストは現在も稼働しており、預けられた小さな命を救っています。


おわりに

小さな命をあきらめるのではなく救うことを目標に作られた赤ちゃんポストは、これまで多くの赤ちゃんの命を救ってきました。

また、乳児院といった施設に預けられるだけでなく、特別養子縁組によって新しい家族に迎えられた赤ちゃんもいるそうです。

ここで救われた赤ちゃんの健やかな成長と、その子の未来が幸せなものになることを祈るばかりです。

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