【バイオマスエネルギー】発電によるメリットとデメリット。


はじめに

バイオマス

私たちが住む世界は火の発見を皮切りに発達し、その後、石炭や石油の利用によって、より便利で豊かな社会となりました。

人口増加が叫ばれている昨今、世界のエネルギー消費量はさらに増加すると考えられています。しかし、これらのエネルギー資源は際限なく生み出されるものではなく、いつかは枯渇すると言われています。

また、石炭や石油を燃やすことによって、二酸化炭素が排出されます。温室効果を持つ二酸化炭素は地球温暖化の原因物質の1つと言われており、排出抑制が求められています。

1997年に京都で開かれた国際会議では、各国の温室効果ガスの削減目標が定められました。

これを受けて農林水産省は、「バイオマス・ニッポン総合戦略」を閣議決定し、バイオマスエネルギーの利用や活用の推進に取り組んでいます。

バイオマスは、「生物由来の再生可能な有機物資源」と定義されており、バイオマスを基にしたエネルギー資源をバイオマスエネルギーといいます。


バイオマスエネルギーって燃料って何が使われているの??

バイオマスは、動物飼料、堆肥、電力、燃料など様々な用途に利用されています。

バイオマスエネルギーの原料として最も多く利用されているのが、「廃棄物系資源」と呼ばれているものです。生ゴミや売れ残り食品といった食品廃棄物や、家畜の排泄物、下水の汚泥、製紙工場や建築現場から出る木材片などがこれにあたります。

これらを排出した企業は、処理業者へ費用を支払わなければいけないため、この処理費用は製品の価格に上乗せされています。これらの廃棄物からエネルギーを産生し、製品の生産過程で利用できれば、コスト削減に繋がり価格を下げることができますね。

間伐された木材や稲の籾殻など、現在有効活用されていない資源もエネルギー源として利用する取り組みが行われています。

しかしこれらは、先ほどの廃棄物系資源とは異なり、製品の生産過程で排出されたものではないため、処理費用がかかりません。そのため、わざわざ費用を投入してエネルギーを作り出そうという業者は少ないのが現状です。

このような資源が、野山や田畑に放置されている光景を目にしたことがある人も多いと思います。

また、食糧としてではなく、バイオマスエネルギーを得ることを目的として計画的に栽培されている植物があります。

代表的なものとして、サトウキビやトウモロコシが知られています。これらは総称して「資源作物」と呼ばれており、より効率的にエネルギーを得るために、品種改良などが行われています。


バイオマスエネルギーで発電するためには?他のエネルギーとの発電効率を比較してみます!

バイオマスから得られたエネルギーは様々な用途に利用されているのですが、電力としての利用法について見ていきたいと思います。

日本国内には約70ヶ所にバイオマス発電所が設置されています。

バイオマスから発電する方法にはいくつかあります。木材系の資源を利用する場合は、木材そのものを燃やして蒸気を発生させ、その蒸気を利用して発電を行います。

また、木材を燃やしてしまうのではなく木材から炭を作り、炭に含まれている可燃性のガスを使って発電する方法もあります。食品廃棄物や家畜の排泄物、下水汚泥など、燃やすことが難しい資源を利用する場合は、これらを発酵させ、発生するガスを使って発電します。

バイオマスエネルギーは、太陽光や地熱、水力、風力エネルギーと合わせて「再生可能エネルギー」と言われています。

太陽光や風力による発電は、天候による影響を受けやすく、発電量にムラが出てしまいますが、バイオマスは比較的安定して供給されるため、持続的な発電が期待されています。また、他の再生エネルギーと違って、必要な時に必要な量だけ発電できるという利点もあります。

しかし、発電効率という点からみると、水力発電や風力発電には劣ってしまいます。

発電効率は、資源から生み出されるエネルギー量と、それを電力に変換するまでの費用や実際に産生された電力量から算出されます。

水力発電を例にみてみると、水力発電は水の落差を利用する発電方法なのですが、必要な設備は水を汲みあげる装置のみのため、電力への変換効率が高く約80%と言われています。

一方、バイオマスの発電効率は20%程度と言われています。今後、この効率を上げていくことが、バイオマスエネルギー普及の課題となっています。


バイオマスエネルギー利用に問題点やデメリットってあるの?

バイオマスエネルギーは、注目されつつある再生可能エネルギーですが、まだまだ問題点や改善点が多いのが現状です。

1つは、他の再生エネルギーと違って、原料をそのままでは利用できないことです。例えば、木材系資源であればチップやペレットへの加工が必要ですし、非木材系の資源であれば発酵設備を必要とします。

これらにかかる費用は、石炭、石油、天然ガスといった化石燃料の加工コストより高いと言われています。この加工コストを抑えるための技術革新が、バイオマスエネルギーの普及には欠かせません。

また、国連WFPの調査によると、世界では9人に1人が飢餓に苦しんでおり、そのほとんどが発展途上国に住んでいるそうです。

しかし世界のあらゆる国で食糧が不足しているわけではありません。現に日本では食品廃棄量が多く、世界でトップクラスと言われています。

私たちはその廃棄食品を利用してエネルギーを作り出そうとしています。栄養不良で亡くなる人がいる国がある一方で、食べ物を捨ててしまう国があるというのは、何とも複雑な気持ちになりますね。

資源作物の栽培についても同様のことがいえます。

例えば、トウモロコシなどの穀物類の約半数が、ヒトの食糧としてではなく家畜の餌やバイオマスエネルギーに利用されています。

今後、バイオマスエネルギーの普及が進めば、食糧用ではなくエネルギー生産用の穀物の生産にシフトする農家も出て来るでしょう。発展途上国の食糧不足問題を解決するためにも、食糧と競合しないバイオマスの開発が必要となってきます。


おわりに

私たちの日々の生活は、電気や熱などエネルギーが無いことには成り立ちません。

しかし、日本のエネルギー自給率は6%と非常に低く、ほぼ輸入に頼っています。そのため、エネルギーコストが世界情勢に大きく左右されます。

現在主力となっている化石燃料の枯渇も懸念されており、今後、再びオイルショックのような混乱に巻き込まれてしまうかもしれません。

そのような混乱に巻き込まれないためにも、自国でエネルギーを生産する能力が必要となります。

日本はエネルギー資源の少ない国です。そのため、バイオマスエネルギーを始めとした再生可能エネルギーの普及が急がれていますが、日本での導入量は他の先進国に比べてまだまだ少ないです。今後、制度の整備や技術革新によってさらに導入率が上がっていくことを期待しています。

また、限りある資源を守るために、エネルギーを消費する立場の私たちには何ができるでしょうか?まずは、エネルギーの無駄遣いをなくすことが大切ですね。

電気をこまめに消す、水を出しっぱなしにしないなど、身近なことから意識していきましょうね。

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