意外と軽くない懲戒処分の戒告。意味や処分後の影響について。


はじめに

戒告

テレビのニュースなんかで公務員の不祥事が報道されて『県職員を戒告の懲戒処分とした』なんてことを聞いたことがありませんか?

民間企業でも戒告なんてしょっちゅうされているんでしょうが、公務員だけニュースで扱われるって少し可哀想ですね。給料が税金から支払われているからしょうがないことなんでしょうが・・・。

少し話がそれてしまいましたが、普通の社会人だったら誰でも聞いたことがあるこの『戒告』という懲戒処分。しかしどんな処分なのかあまり知らない、口頭もしくは文書による厳重注意くらいの漠然とした認識という方がほとんどでしょう。

今回はこの『戒告』について少し詳しく説明していきます。


戒告ってどんな意味なんでしょうか?意外と重い懲戒処分なんですよ!

普通、戒告っていうと、「処分」ってイメージが強いですよね?

でも、実は戒告にはいろいろあって、必ずしも「戒告イコール処分」というわけではありません。では、戒告にはどんなものがあるのかというと、大きく分けて、以下の3つです。

ひとつめは、処分に該当するかどうかは関係なく、「戒められる(いましめられる)こと」です。叱られたりすることの同類と考えるとよいでしょう。

何か良くないことをしたり、失敗してしまったりした時に行なわれることがありますが、この場合の戒告は、ほめたり叱ったりといったことの一環で、特に処分ということではないのです。

ふたつめの戒告は、「行政上の義務を果たすよう、通知されること」です。

代表的なものは代執行に関する戒告で、「ある期限内に本人が行なわない場合、行政が代執行する」と予告するため、通知が行なわれます。

この通知のことを戒告と呼んでいるのです。こちらの戒告も、処分とは関係がありません。

みっつめの戒告は、公務員の懲戒処分に関するものです。

公務員の懲戒処分には4種類あり、最も重い処分が免職、その下が停職となっており、以下、減給、戒告と続きます。

つまり、戒告は公務員の懲戒処分の中で、最も軽い処分に当たるものなのです。

形としては、単に叱責等されるだけですから、減給などのように、その場で直接、金銭的な損失があったり、といったものではありません。

完全に影響がないかと言えばウソになるのですが、その点に関しましては、当記事の[③戒告を受けた場合のその後の影響について]でご紹介していきたいと思います。

ちなみに、上記は公務員の懲戒処分についてでしたが、弁護士等が懲戒処分を受ける際にも戒告が行なわれることがあります。


実際に戒告処分を受けているのはこんなケースです!

では、実際に戒告という懲戒処分を受けるのは、どのようなケースなのでしょうか。

ここは公務員についての実例を見てみたいということで、経済産業省の実際の懲戒処分を例に、見ていきたいと思います。

経済産業省は2016年4月に、平成27年度(2015年度)の下半期に経済産業省で行なわれた懲戒処分について公表しています。

公表された処分は7件で、内3件が戒告となっています。ちなみにその他の内訳は、停職2件、減給2件となっています。

戒告となった3件の、それぞれの処分理由は以下の通りです。

・欠勤
上司からくり返し注意されていたにもかかわらず、何度も欠勤を繰り返したということで、戒告となったケースが1件あります。ちなみに処分された側の役職は係長級となっています。

・暴力行為

暴力行為を行なったということで、戒告となったケースが1件あります。場所が庁舎の内部だったということですので、そのことも影響しているのかも知れません。

こちらの役職は補佐級となっています。

・不正受給

通勤や出張に関して事実とは異なる申告をし、通勤手当と出張旅費を不正受給したということで、戒告となったケースが1件あります。

こちらの役職も補佐級となっています。

上記の事例では、再三の欠勤や暴力行為、出張費等の不正受給が理由で、戒告という懲戒処分を受けています。

ただし、これらのケースでは必ず戒告になるのかと言えば、そうではない模様です。たとえば、同じく公表された減給処分の中には、再三の欠勤が理由のものが含まれています。

ですから、欠勤イコール戒告とは決められておらず、それぞれの程度や改善の無さなどによって、戒告となることもあれば、より重い減給等になることもあるようです。


戒告=注意ではありません。昇給や昇格、いろいろな事に影響します!

既にご紹介しましたが、戒告は、4段階ある懲戒処分の中で、最も軽い処分です。

実際の処分内容も、ただ単に説教されたり、叱られたりするだけのようですから、「それなら、説教されている間、ただ黙って頭を下げていれば済むのではないか」とお考えの方もあるかと思います。

他の免職や停職、減給に比べると、明らかに実生活に響く度合いが違うように見えますよね。
減給や停職も痛いですが、免職となった日には目も当てられません。

でも、「だったら戒告は楽でいいや」という話になるかというと、どうもそうではないようなのです。

戒告を受けたことによるその後の影響の最も代表的なものとしては、「その後の昇給に響く」という点が挙げられます。

戒告されたタイミングでは特に影響はないのですが、その後の昇給が延伸等されることが多いというのですね。

実際、大分県教育委員会による教職員研修用の服務研修テキスト『「懲戒処分」とその影響』には、戒告に伴う給与上の措置として、処分後の直近の昇給が4分の3になる、という記述があります。

4分の3になるということは、本来の昇給額より25%低くなるということです。

これを重いと見るか軽いと見るかはその人次第ですが、財布に直接響く結果となっていることは間違いありません。

また、昇給だけでなく、直近の勤勉手当にもマイナスの影響が出る、とのことです。

戒告といっても、本当に戒告だけで済むわけではなくて、その後の昇給や勤勉手当にも影響が出る、意外と厳しい処分なのです。


おわりに

ざっと戒告について見てきましたが、いやあ、戒告って、思っていたより意外と重い処分なんですね(^^;

普通に誰も見ていないところで「めっ!」「もう駄目だぞお」なんて叱られて終わりかと思っていたんですが、さすがにそんなことはない。腐っても懲戒処分、ってところでしょうか。

印象に残ったポイントは、やっぱり、金銭的にダメージがある、ってとこですかね。

官僚とかが戒告処分になって、「どうせ、ただ、口で叱られるだけだろ」なんて思ってた方には朗報かも知れません。にしても、戒告を実際に受けた理由が、まあ、情けない。

無断欠勤、暴力行為に、不正受給。そりゃあ、処分を受けるよね、ってなもんです。経済産業省の半年分だけでこれだけあるんですから、全部の省庁合わせたら、いったい何件あるんでしょうか?

一般人には縁のない戒告ですが、似た状況にならないよう、日ごろから身を引き締めていきたいものです。

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