産後うつの原因は夫にも?症状が出た場合の相談先や治療方法について。

はじめに

「産後うつ」をご存知ですか?

国立成育医療研究センターが発表したデータによると、現在の日本では出産を経験した女性の内、10人に1人の割合で発症していることがわかりました。

また、同調査で、ここ2年間で92人の母親が「産後うつ」が原因で、出産後一年未満に自らの手で命を絶っていることも判明しています。

いまや「産後うつ」は深刻な社会問題となっているのです。

出産を機に、女性の生活はがらっと変わります。育児のために退職する、子育てで生活が制限される、経済的な不安を常に抱えている……。

産後の女性をとりまく環境の変化は、うつ病を発症させる要因だらけです。

今回の記事では、社会問題である「産後うつ」の具体的な症状や、発症する原因、相談先や治療方法などを詳しく解説します。

産後うつの症状。代表的なものを10個挙げます!

産後うつ(産褥期うつ病)とは、名前の通り、赤ちゃんを産んだばかりの母親に現れる「うつ症状」のことです。

出産により、体調や生活リズムが大きく変化することがきっかけで起こります。

一般的には産後1~3週間後に症状が現れますが、数カ月後や1年後に発症する場合もあります。 「うつ」といっても具体的にはどのような症状があるのでしょうか?

産後うつの症状は明確に決まっているわけではなく、以下のように様々な形で現れます。

眠れない。もしくは眠りすぎてしまう。

食欲がない、吐き気がする。

憂鬱な気分になる。物事を悲観的にとらえてしまう。

ひどく疲れる。

父親や家族をうっとうしく感じる。避けてしまう。

気分が落ち込み、なぜか突然涙が出る。良い母親ではないと不安になる。

無気力になる。家事や仕事をするやる気が起きない。 決断力や集中力、対応力が無くなる。

赤ちゃんを可愛いと感じられなくなる。 イライラする。

気分の浮き沈みが激しくなる。すぐ怒ってしまう。

死や自殺について考えてしまう。

一般のうつに比べて、「母親になる」という重圧から不安や焦燥感が強く現れ、重症化しやすい傾向にあることも特徴です。

うつ症状が重くなると、将来的に育児放棄や虐待など、子供を巻き込んで深刻な事態を引き起こすこともあります。

母親が自ら命を絶ってしまうケースも少なくありません。なんともやるせない話です…。

ちなみに、「産後うつ」と似ている、産後に起きやすい症状として「マタニティブルー」というものがあります。これは、出産後から1週間ごろまでに、ひどく憂鬱な気分になり、心も身体も不安定になることを指します。

産後うつと違うところは長期的なものではなく、一時的なものということ。治療の必要はありません。

産後はストレスが大敵。考えすぎも禁物です。気楽にいきましょう!!

産後うつの原因は、はっきりとわかっているわけではありませんが、肉体的なものと精神的なもの、両方が合わさって引き起こされることが多いといわれています。

母親は、身体の中で1人の人間を育てるために、自分の栄養を分け与え、3キロ前後の胎児を四六時中お腹に抱えて過ごし、いざ出産するときは激痛に耐えなければなりません。産んだら産んだで休む間もなく子育てがはじまります。

3時間ごとの授乳に追われ、睡眠も充分にとれません。産後の母親の身体は常にぼろぼろです。 身体の疲労は、気持ちにも悪い影響を与えます。

産後はホルモンバランスも崩れているため、いつも以上に精神的に不安定。その上「母親になる」「子供の人生を背負う」という責任感や育児不安でいっぱいになり、ストレスをためやすくなってしまうのです。

夫が家事、育児に協力的でない場合は、夫の存在がストレスにもなり得ます。

産後うつも一般的なうつと同じで、もともと真面目で几帳面な人の方がなりやすい傾向にあります。

立派な母親にならなければという責任感と義務感でいっぱいになり、精神的に追いつめられ、自分でも気づかないうちに発症してしまいます。

特に、過去にうつ病の病歴がある母親や、初めての出産、双子などの多胎出産、高齢出産などの妊娠中から出産に対して強い不安を抱えていた母親ほど、産後うつを発症するリスクが高くなります。

他にも、帝王切開や緊急搬送、赤ちゃんに障害がある、望まない妊娠など、妊娠出産を巡る思いがけないトラブルも産後うつを引き起こすきっかけとしてあげられます。

産後うつかも?どこに相談すればいいの??

厚生労働省が2017年度から産後うつに関する健診費用の助成を開始しましたが、一般的な認知度はまだまだ低い現状です。

そのため、産後うつに気づいたら、自分や周囲の家族が行動を起こすことが大切です。

産後、前述したような産後うつの症状がみられ普段と違う異変を感じたら、産後うつを疑ってみてください。

まずは、住んでいる地域を担当している保健師や助産師に連絡して相談してみましょう。

医療機関や訪問ケア、入所サービスなど、自分の症状に合った最適の治療先を提案してくれます。妊娠中に診てもらっていた、かかりつけの医師に相談するのも良いでしょう。

また、うつ病は、ほとんどがカウンセリングや、認知行動療法によって治療します。薬を使うことはごくまれ。うつ病患者自身の気持ちを切り替えて前向きにさせてあげることがとても重要なのです。

そのため、産後うつの治療には、夫や家族の協力が不可欠となります。周囲がそれを理解し、母親が安心して育児が出来るような環境を整え、声をかけてあげることで、症状を軽減し、改善することが出来ます。

そして母親自身も、自分を労わってあげるようにしましょう。疲れたら周囲に声をかけてゆっくり休み、気力と体力を回復させる。

1人だけの時間を定期的に確保するなど、上手く息抜きするようにしてください。 子育ては予定通りにいかないことの方が多いもの。完璧にこなそうとしても土台無理な話です。

母親が倒れてしまって一番困るのは、子供です。

難しいかもしれませんが、大切な我が子のためにも、ちょっと肩の力を抜いて「がんばりすぎない」ようにしてみましょう。

おわりに

昔の日本の母親は、産後、家族を超えた周囲の人々の助けを借りて布団を敷いたまま生活してしました。約一か月後に「床上げ」をして少しずつ家事などを行っていたのです。

今の日本は核家族化が進んだ影響もあり、昔と比べて周囲の育児サポートを受けられず、1人で育児を頑張る孤独な母親がとても増えました。

そこには、産後うつになってしまうのも仕方がない、時代背景や社会の形が存在します。

自分が産後うつにかかっていると認識することが出来ず、つらい憂鬱状態と戦い続けている母親はたくさんいます。

そのような母親が1人でも減るように、社会の改善を願うだけではなく、私たちに出来ることを考え行動してみましょう。

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