孤独死につながる可能性も!?セルフネグレクトの原因や対策などをまとめてみました。


はじめに

あなたは「セルフネグレクト」をご存知ですか?

セルフネグレクトとは「自己放免」という意味で、生活環境・栄養状態が悪化しているのに助けを求めない状態にあることをいいます。最近よく聞く“孤独死”や“ゴミ屋敷”の原因ともいわれています。

セルフネグレクトに陥った人々は、自分自身に無関心なので、自分が無気力状態になっていることへの自覚もありません。

そのため自治体の支援も拒み、社会から孤立、判断力が低下していき、残念ながら最終的には命を落としてしまう人もいるのです。

今回は、今の社会に深刻な陰を落としているセルフネグレクトについて、詳しく解説していきます。


誰にでもなる可能性はあります。きっかけはありふれた事です。

戒告

 

セルフネグレクトを引き起こす最大の原因は精神的なダメージです。

配偶者や家族の死、病気、失恋、仕事を辞める、人間関係の悪化、金銭トラブルなど様々なストレスで、日常生活を送ることが面倒になります。

そして「もうどうでもいい」と無気力になり、お風呂や食事、片付けやゴミ捨てなど基本的な家事を放棄してしまい、家は歩くスペースが無いほどのゴミ屋敷へと化していくのです。

セルフネグレクトになるきっかけは精神的なダメージですが、その後の症状の進行はその人が置かれている環境に左右されます。

もし一緒に暮らしている家族や気にかけてくれる友人・恋人や職場仲間がいるならば最悪の事態になる前に異変に気付き、手を差し伸べることが出来ますよね。

ですが孤立している人々がセルフネグレクトに陥ってしまうと助けることは困難です。

一言に孤立といっても様々なパターンがあり、一人暮らし世帯で家族や会社、ご近所との関わり合いが無い場合はもちろん、近年では過剰な仕事による孤立も多く見られます。

朝早くから夜遅くまで仕事で、生活の中心が仕事になってしまい、気づかない内に人とのつながりも無くなっていき孤立してしまいます。

そのため、セルフネグレクトは高齢者に多くみられますが、最近は30代から40代の若い世代にも増えてきているといわれています。セルフネグレクトは、自立した生活をしている人全てが陥る可能性があるようです。

他にも病気による身体機能や判断力の低下、経済的困難などもセルフネグレクト状態を加速させてしまう要因となります。


どういう状況に陥る??セルフネグレクトの具体的な例を見ていきます!!

どうもやる気が出なくて、掃除や洗濯、炊事もせず一日中布団の中でごろごろ過ごしてしまうという経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

心が不調で動きたくない、何もしたくないという日は誰にでもあると思います。

でも調子が悪いときは一時的なもので、しばらくたてばまたいつもの日常に戻ることが出来ますよね。ですがセルフネグレクトの場合は違います。その状態がいつまでもいつまでも続き、1人では立ち直れなくなってしまうのです。

ここであるセルフネグレクトの事例をご紹介します。

50代の女性Aさんは独身で80代の父親と2人暮らしです。認知症の父親の介護をしながら、日々の生活のために仕事もしています。友人からのお誘いも仕事と介護を理由に断ってばかりなので、自然と連絡が途絶えていきました。

そんな忙しい日々の中、突然父親を亡くしてしまいます。更に自らも雨の日に転倒して腰の骨を骨折してしまい、思うように歩けない上痛みも引かず、仕事も辞めざるをえなくなります。

父親の死と生活の中心となっていた仕事を失った喪失感と身体の苦痛から、Aさんは徐々に外出を控えるようになります。

自宅に引きこもるうちに動くのが億劫になり、徐々に生活環境は乱れ、家の中はゴミであふれていきます。

自治体の職員が異変に気付き治療をすすめますが、自分が深刻な状況であるという自覚がないので断ってしまいます。社会からの孤立が続き、判断力も低下していき、命が危険状態にあることもわかりません。

ある日ついにAさんは力尽き、倒れてしまいます。ですが定期的に訪問していた自治体職員が倒れているAさんを発見し、一命を取り留めることが出来ました。今はAさん1人では生活が出来ないため、介護施設で暮らしています。

いかがでしたか?

Aさんの事例は、Aさんだけでなく、誰にでも起こりうる可能性があると思いませんか?
生きていれば予想もつかないアクシデントが起こり、当たり前の日常が一瞬で無くなってしまうこともあります。セルフネグレクトは他人事ではないのです。


気に掛けてあげること。それが最大の対策になります。

改元

セルフネグレクトの問題点は、その状態にある本人が助けを求めず沈黙してしまうことです。そのため周囲の人々がいち早くその状態に気づいて、助けてあげなければ最悪「孤独死」という結末を迎えてしまうかもしれません。

現在、都や市町村の自治体ではセルフネグレクトへの対策を進めています。ニッセイ基礎研究所の調査によると、自治体で行っている対策は「訪問(36%)」「介護予防(20%」「見守り・声かけ(18%)」などです。地道に見守りをして、異変があれば声かけをする、の繰り返しです。

自治体の限られた数の職員で、何倍もの数の住民をケアし、セルフネグレクトを見つけて救うことが出来ると思いますか?もちろん不可能です。残念ながらセルフネグレクト状態の人を見落としてしまうことも多くあります。

そこで大切なのが、家族や地域社会などの身近な周りの人々が助け合い、見守り合うことです。
一人暮らしの人が痩せて清潔感がなくなっている、郵便物がたまっている、ライフラインが止められている、相談に乗ろうとしても遠慮や拒否をする、などの現象が見られたら要注意です。

わかりづらいかもしれませんが、こういうちょっとした違和感がセルフネグレクトのサインです。心当たりがあれば、すぐに自治体に連絡をしましょう。

そして根本的な解決のためには、本人に、自分がセルフネグレクトであると気づかせなければなりません。

離れて暮らしている親族でセルフネグレクトのサインが出ている方はいませんか?

「大丈夫」「自分でなんとかする」「放っておいてくれ」と拒絶されても引き下がらず、根気強く何度も声をかけてあげましょう。


まとめ

内閣府が約8年前に行った調査によると、全国の市町村においてセルフネグレクト状態にある人は約1万1000人と推計されました。

ですがこの調査、4割もの市町村が回答しなかった上、その後同じような調査が行われていないため、実際の数はこの倍以上だろうといわれています。

セルフネグレクトに対して、社会は実態すらつかみきれていないということですね。

メディアでよく特集されているゴミ屋敷の住人たちが、共通して頑固なのは何故なんだろうと思っていました。

声をかけにいった自治体職員を追い返し、近隣の住人の説得を聞き流します。
メディア上でもゴミ屋敷住民を「はた迷惑、非常識」というイメージで報道しますし、悪い印象しか持っていませんでした。

ですがもしかしたら彼らはセルフネグレクトで、深刻な心の病を患っていたのかもしれません。「セルフネグレクト」という心の病気がもっと社会で周知されれば、ゴミ屋敷の住人の非常識な行動だけを流す報道も無くなるかもしれませんよね。

この病が社会に浸透し、命を落とす人が無くなることを願います。最近連絡が取れなくなった親族やお友達はいませんか?

隣に誰が住んでいるかもわからない今の時代で、セルフネグレクトを防ぐためには、周囲の協力が不可欠。連絡を取ったり、会いに行ってあげてくださいね。

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