奨学金の返済が苦しい!滞納の先に待ち受けるものは!?

はじめに

奨学金とは、学ぶ意欲と能力があるにも関わらず、経済的な理由や家庭の事情で「進学が難しい方」に、学費の付与や貸与を行う制度のことです。

2017年に行われた、日本学生機構の調査によると、大学・短大進学者の2.6人に1人(38.5%)が奨学金を借りていることがわかりました。

2005年は3.9人に1人(25.6%)だったので、この10年ほどで1.5倍に増えた計算になります。 奨学金制度を利用する人が急増している一方で、奨学金返済が出来ない、最悪自己破産をしてしまうケースも多発しています。

これはひとえに、奨学金を借りた学生が悪いだけではなく、現在の社会の構造が大きく関わっているのです。

今回は、そんな社会問題となっている奨学金返済について、詳しく解説していきます。

メリットあればデメリットもあり。現代の奨学金制度について考えてみます。

奨学金のメリットは、なんといっても、経済的な理由で進学を諦めている学生が学費のサポートを受けることによって進学が可能になることです。

奨学金制度は、大学に進学するときに利用するイメージがありますが、専門学校や高校への進学を支援するものも存在し、学ぶ意欲があるのに今すぐ学費を払うことが出来ない学生にとっては、強い味方となってくれるでしょう。

奨学金は社会的に認められた借金なので、一般のローンよりも返済がしやすいよう、金利.がかなり低く設定されているのも嬉しいポイントです。

もちろんメリットばかりではありません。

貸与型の奨学金は卒業後、全額返済しなければならないというデメリットがあります。 奨学金は「借金」です。

在学中に借りた学費は、借主である「学生本人」が全額返却しなければなりません。 奨学金の平均返済金額は288万円。

この金額の場合、月々15000円ずつ返したとすると、完済までに約16年かかる計算になります。

卒業して、社会に出たと同時に40歳前後までコツコツと返済しなければならない、何百万単位の借金を背負うことになるのです。

このようなデメリットを無くすためには、卒業後の「経済的負担の少ない奨学金」を見つけることが必要です。

無利子の奨学金や返済義務のない給付型の奨学金を利用したいところですが、募集枠が限られていて、審査に漏れてしまうことも少なくありません。

審査に不安がある人は「新聞奨学生」のように、在学中に働きながら学費の一部もしくは全額稼ぐことが出来る奨学金制度を利用すると、卒業後の経済的負担をぐんと減らすことが出来ます。

若者が奨学金を返済できない。その原因は一体どこにあるのでしょう?

平成26年度の「奨学金の返還者に関する特性調査結果」によると、奨学金返済期間中の人数は362万4706人、その返済を延滞している人数が50万1576人にのぼることがわかりました。

これは全体の約13%にあたります。 奨学金を返済できない人が何故こんなにも多いのでしょうか?

その理由は様々ですが、同調査によって最も多かった理由は「家計の収入が減った」で76.1%を占めました。

まだまだ景気が良いとは言えない現在の日本では、大学入学時には思い描いてもいなかった厳しい現実に直面することもあります。

大学卒業後、せっかく就職しても収入が少なかったり、非正規雇用で収入が安定しなかったりと、当初思っていたように返済が出来ない状況にある人がたくさんいるのです。

その他の理由としては、「家計の支出が増えた」「入院・事故・災害」「返済を忘れていた」「忙しくて返済できなかった」があげられました。

社会に出ると一人暮らしをしたり、付き合いが多くなったりと何かと支出が増えることは仕方のないことといえるでしょう。

自己責任によって返済が滞っていることもありますが、入院・事故・災害による不慮の事態によって返済が滞るケースもあります。

そもそも、若者が奨学金を返済できない根本的な原因は、不況のあおりを受け、日本の世帯年収は年々下がり続けているのに、少子化や、国の公的負担が少ない影響で学費自体が高騰している社会にあるといえるのではないでしょうか。

収入が少なくなっているのに、上がり続ける学費を払えというのは土台無理な話。学生は学費を「払わない」のではなく「払えない」のです。

奨学金を払えない若者は、現代社会の犠牲者と言っても過言ではないはずです。

滞納によるメリットは皆無。苦しい時はまずは相談!!

奨学金は「借金」と同じなので、滞納すると督促がはじまります。 まず、返済予定日を過ぎたと同時に、年間2.5%~5%の延滞金が上乗せされます

。延滞が3か月続くと、個人信用情報期間に登録。いわゆる「ブラックリストにのる」というやつです。

一定期間、クレジットカードの使用を制限され、ローンを組めなくなります。 それでも返済が滞っていると、奨学金の貸出元や、債権回収の専門会社が督促をはじめます。

会社や連帯保証人、身内への電話や、自宅を訪問されることもあります。9カ月ほどたつと、最終段階です。

裁判所から一括返済を求める督促通知が届きます。 裁判所から督促を求められたケースは、平成28年で約8400件。

この10年で40倍に膨らんでいます。 これだけ督促されても返済できなかったのに、消費者金融と変わらない利子がつき莫大に膨れ上がった奨学金という名の借金を、一括で返済できるわけがありません。

最悪、自己破産という選択をすることになります。奨学金を返済しきれない人は急増しており、平成26年の時点で、自己破産に追い込まれるケースは1万件に上ります。

ですが、奨学金での自己破産は、これで終わりではありません。借主が自己破産した場合、請求は連帯保証人へと移ります。

奨学金の連帯保証人は、ほとんどの場合両親や親族。結局家族間で借金が連鎖し、共倒れとなってしまうのです。

確かに奨学金は借金ですが、あまりにもむごい取り立て、処罰が厳しすぎると思う人も多いでしょう。ですがこれが今の社会の現実なのです。

おわりに

奨学金の借主は、まだ社会に出たことも無い学生です。

一人暮らしをする場合、月々の食費がいくらかかるのか?家賃は?彼らの中で、社会に出てからの具体的な生活やかかる金銭をイメージすることが出来る人はほとんどいないでしょう。

「奨学金」ではなく「奨学ローン」と言い換えた方が良いのではないでしょうか。これでは無知な学生に、奨学金のポジティブなイメージだけしか伝わりません。

せっかく学校を出て、夢を実現したのに、奨学金返済が足を引っ張って生活できない、最悪自己破産。

これは奨学金を借りた学生の問題というよりも、社会全体の構造の問題です。早急な根本的な解決を願わずにはいられません。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ