待機児童の原因や人数は?対策の鍵は保育士と保育園の数!なのですが・・・


はじめに

待機児童

待機児童とは、「保育所への入所条件を満たしており、入所申請も行なっているにも関わらず、入所できない児童」のことをさします。

2016年には保育園の抽選に落ちた女性がブログに「保育園落ちた日本死ね」と投稿したことがニュースになり、この言葉は「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10に選出されるほど反響を呼びました。

仕事に生きがいを感じているから仕事を続けたい人や、夫婦二馬力じゃないと家計が苦しいから仕事を辞められない人など、理由は様々ですが、結婚してからも仕事を続けることを選ぶ女性は増えています。

政府も女性が活躍できる職場をつくろうと、2016年4月に「女性活躍推進法」を施行するなど法整備にも取り組んできました。しかし、せっかく働ける職場があったとしても、子供を保育園に預けられなければ意味がありません。

今回は、なぜ待機児童ができてしまうのか、待機児童を解消するために、政府はどのような取り組みをしているのかについてお話したいと思います。


待機児童の原因とその人数。子供は社会で育てるという思いやりを持ちましょう。

現在、待機児童はどのくらいいるのでしょうか?

厚生労働省の調査資料によると、平成29年4月1日現在、待機児童は日本全国に2万6000人以上おり、この数は前年に比べて2500人ほど増加しています。

年齢別にみてみると、待機児童の約9割が0歳から2歳という低年齢児であることがわかります。また都道府県別にみると、東京都が最も多く、次いで沖縄県、埼玉県となっています。

しかし、日本では年々出生数が減少しており、2016年にはついに出生数が100万人を割り込むといった事態にさえ陥っています。子供の数が減少しているのに、なぜ待機児童は増加しているのでしょうか。

理由の1つには、人口が都心に偏りすぎているということが挙げられます。

待機児童

上の日本地図は、2005年〜2010年の都道府県ごとの人口増加の割合を示したものです。

この5年間で人口減少が大きかった都道府県ほど青色に、人口増加が大きかった都道府県ほど赤色になるように色分けされています。

これを見ると、大都市に人口が集中しており、地方都市は逆に人口が減少してしまっています。このように人口が一部に偏ることによって、都市部で保育所が慢性的に不足してしまうのです。実際、地方の田舎では待機児童は深刻な問題になっておらず、むしろ子供がいなくて保育所の経営が難しい地域さえあるようです。

また、近隣住民の反対によって、保育所を新設できないというトラブルも全国でみられます。

子供が大きな声を出したり騒いだりすることは当たり前のことなのですが、今まで静かに過ごしていた人からすれば耐えられない苦痛に感じる人もいるのかもしれません。

「働くために保育所が欲しい」「静かに暮らしたい」、どちらの意見も間違っていないからこそ、解決が難しいですね。


待機児童は女性の社会進出を妨げる大きな原因。さらには少子化に拍車がかかるかも?

待機児童がいるということの最大の問題点は、働きたい人が働くことができないという点です。そして待機児童の問題で働くことができない人の多くが女性なのです。

かつての日本では、「男が働き、女が家で子育てをする」ものであり、女性は高校を卒業すればお茶汲みアルバイト程度の仕事に就いて、結婚適齢期になれば寿退社というのが一般的な価値観でした。女性が大学に進学したり、結婚せずに働き続けたりすることを毛嫌いする人たちさえいたほどです。

現在でさえ、相手が女性だからといって態度を変える人が根強く残っています。

しかし、能力があれば男も女の関係ないと考える人が増えていっているのも事実です。今や女性でも大学あるいは大学院まで進学して専門知識を学ぶ時代です。仕事に生きがいを見つけ、それを生涯やっていきたいと感じる人も増えています。

そこで問題になるのが、いつ結婚して子供を産むのか、という点です。出産は女性にしかできません。そして子供が欲しいと思う年齢は、ちょうど仕事が楽しくなる時期と重なってしまいます。

できれば休みたくない、休んだとしても早く復帰したいと考えているのに、保育園の空きが無いから預けられないとなったら、女性たちはどのように感じるでしょうか。

「それなら子供は諦めよう」「子供を作らないなら結婚しなくてもいいや」となりかねません。日本の出生数の減少は深刻です。待機児童を減少させるための対策が急がれています。


人と場所とお金。待機児童解消のための対策は保育士を増やすことと保育園の数を増やすこと。そしてそれを実現させるお金です!

待機児童を減少させるために政府はどのような対策を進めているのでしょうか?

政府は1994年に制定された「エンゼルプラン」を皮切りに継続して待機児童解消のための対策を行なっていますが、現在も待機児童が年々増加している現状を見ると、対策はなかなかうまくいっていないようです。

待機児童を解消するためには、保育士の数を増やすことや保育所の数を増やすことが必要になります。

保育士の数を増やすためには給与のアップが1つの方法です。

保育士の平均年収は、同世代の民間会社員の平均年収より圧倒的に低いです。お金のために仕事をしているわけではないですが、給与が低くて生活できず離職していく人が多いことも事実です。

保育所の数をどう増やすかですが、1つは保育所を新設する方法です。

しかし、先ほどお話した通り、保育所の新設は近隣住民の反対に合ってしまうなど、途中で頓挫してしまうことが問題となっています。

保育所数を増やすもう1つの方法は、幼稚園を「認定こども園」として運営しようという取り組みです。幼稚園と保育所は似ているようですが、対象年齢や保育時間、入園条件などが異なります。

幼稚園は親の就労の有無は関係ないのですが、保育時間は昼間の数時間程度に限られています。この保育時間では、フルタイムで働く女性は幼稚園を利用することはできません。

そこで登場したのが「認定こども園」です。

認定こども園はちょうど幼稚園と保育所の中間のような施設で、親の就労の有無は問われず、保育時間も最長11時間まで延長することが可能です。

しかし、認定こども園の設置もなかなか進んでいません。それは、待機児童が多い都心部では幼稚園もほぼ定員のため、わざわざ認定こども園に変えるメリットがないためです。

認定こども園にすると、保育時間の延長に伴って、保育士の数を増やさなければいけません。保育士の数を増やすとなると人件費がかかるので、幼稚園側からするとメリットの大きいことではありませんよね。


おわりに

女性が社会進出するようになり、女性自らが稼いだお金で自分の欲しいものを買うということが増えてきました。

今や働く女性たちを狙った商品開発は全国各地で盛んに行われています。

また、女性目線の気遣いや心遣いをサービス業に生かそうと、コンビニメニューの考案や、お店づくりに女性が携わることが多くなりました。今後、ますます女性が活躍する場が増えていくことでしょう。

しかし、女性が活躍するためには待機児童は早急に解決しなければならない問題です。

しかし、このような問題は、自分が実際に当事者にならないと意識しにくい問題でもあります。同性の女性でさえ、独身の人や結婚しても子供を持たない選択をした人にとっては、どうしても他人事のように感じてしまいます。

これが問題解決を遅くしてしまう理由の1つになっているのかもしれません。今後、制度の整備が進み、働きたい人が誰でも働くことができるような社会が早く訪れて欲しいものですね。

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